公益財団法人 横浜観光コンベンション・ビューロー様

広域観光プラットフォームとしての活用で、効率よく回遊・消費促進!


公益財団法人 横浜観光コンベンション・ビューロー(YCVB)は、横浜市及び神奈川県を中心に、観光マップ活用などによる集客を通じ、賑わいづくりや経済波及効果を図る多種多様な施策に取り組む組織です。広域観光情報プラットフォームのデジタルマップとして、プラチナマップを導入いただいた背景について、お話を伺いました。

公益財団法人 横浜観光コンベンション・ビューロー 事業部 事業推進課 武部様(中央)
公益財団法人 横浜観光コンベンション・ビューロー 事業部
二宮様(左)、武部様(中央)、髙宮様(右)

Platinumapsの導入に至った背景

-デジタルマップソリューションの導入背景について、教えていただけますか?

都心臨海部(横浜駅周辺地区、みなとみらい21地区、関内・関外地区及びその周辺エリア)ではそれぞれの商店街組合や地元活性化のための団体が主体となり、多くの回遊促進施策をおこなっていましたが、実施する度にシステム設計や印刷物の制作をしており、効率性やデータ蓄積の面で課題がありました。そこで、エリアの共通プラットフォームを構築したいと横浜市から相談があり、市と協議の上プラチナマップを導入することとなりました。施策を効率的に運用し、データ集約・分析を行い、より効果的な施策へ繋げていくことを目指しています。

-なぜ「プラチナマップ」をお選び頂けたのでしょうか?

イベントの運営効率化・データ集積を目的とした、エリアでの共通プラットフォーム化が実現可能なシステムであるという点で、導入を決めました。

-今回のデジタルマップに関する施策はどのようなものだったのでしょうか?

横浜デジタルMAPでは基本のスポットとして、観光施設、宿泊施設や物販施設などを約300箇所登録しています。各種イベントの回遊促進としても適宜プラチナラリーやクーポンを実装しています。今年「横浜観光情報」のWEBサイトもリニューアルして、デジタルマップをトップページに大きく掲載するようにしました。

「横浜観光情報」WEBサイト
「横浜観光情報」WEBサイト

デジタルマップシステムの課題を洗い出し、より良いものにしていくために、これまで5つの集客イベントに合わせ試験的にスタンプラリーやクーポン機能を導入・運用してきました。 関内・関外地区活性化協議会(※)での議論をきっかけに、都心臨海部で行われる回遊施策に使用していく一つのプラットフォームとして導入しており、会員事業者からの依頼に基づき、エリア内の回遊促進企画を実施しています。 スタンプラリーを実施していく中で、より観光消費を促進するにはどうしたらいいか、模索しながら企画しています。スタンプラリーではアンケート機能を活用し、消費額について質問項目を設けています。想定より金額が少ない結果となることもあるので、どのようにすれば消費額が伸ばせるか、各関係者と相談しながらさらに工夫していきたいです。

※関内・関外地区を拠点とする商店街などの地元まちづくり活動組織を中心に、企業、行政も含め地域が一体となってエリアの活性化を推進する、任意の協議会

-観光推進に関して、デジタルマップにはどのような役割を期待されていますか?

観光推進のための回遊促進ツールとして、デジタルマップの活用を前提に進めています。活用数は去年よりも増える予定です。エリア全体の共通プラットフォームで各企画を運営することにより、参加店舗、イベント主催者、スタンプラリーの参加者、イベント運営管理者などの各関係者で利用経験を培っていけるというメリットがあります。また、データの相互活用ができるため、より良い企画にしていくためのノウハウを共有できることもメリットだと感じています。

「ハマフェスY164デジタルスタンプラリー」スタンプラリー画面
「ハマフェスY164デジタルスタンプラリー」スタンプラリー画面

導入後に生まれた効果

-プラチナマップ導入後、どのような効果が出ていますか?

イベント主催者の方からお問い合わせをいただいたときに、ダッシュボード画面で利用状況を随時確認して、すぐに情報共有ができるので大変喜ばれております。
プラチナマップのダッシュボードのデータですが、PV数は直近1箇月12,702と、スタンプラリーを実施していない期間でも数多くのユーザーの方に見ていただいています。デジタルマップをWEBサイト上のトップページで大きく表示するようにした影響もあるかと思いますが、デジタルマップの認知度が上がっていると感じています。

「横浜デジタルマップ」ダッシュボード画面
「横浜デジタルマップ」ダッシュボード画面

-ダッシュボードで表示されるデータはどのように活用されていますでしょうか?

スタンプラリーについては、ダッシュボードのデータから、土日のエントリー数が増えたり、冬の16時以降に動きがほとんどなくなってしまったりといった人の流れがわかるため、企画提案の参考にしています。
意外だったのは、朝早くから参加者がいたり、人の動きがない時間は、調べると天気が悪かったということです。後からデータを突き合わせてみてわかったことですが、冬の寒い時期や春先で日によって気温がかなり上下する時期には、天気や気温の影響が大きく重要な情報だと感じています。今後プラチナマップ上で、統合したデータとして見られるようになることを期待しています。
また、エリア別で見ると、横浜の場合は8割が神奈川県内から来られた方なので、横浜市内・市外(県内のどのエリアか)など、より詳細なエリアがわかるようになると、さらに踏み込んだPRもできて良いと感じています。

スタンプラリーダッシュボード画面①
スタンプラリーダッシュボード画面①

また、「実際に来た方がどういう行動をとっているのか」を把握する目的でアンケートも併せて実施しています。具体的には以下の項目を設けています。
・どうやってイベントを知ったか
・誰と一緒に回ったか
・都心臨海部の中でどこのエリアに立ち寄っているのか
・宿泊やお買い物、食事でいくら位使ったのか(観光消費額)
・宿泊したか否か

ダッシュボードから確認できるデータ(性年代別や居住地などの参加者属性)と上記アンケートとのクロス集計により、回数を重ねるごとにデータを蓄積しています。
これまでのデータからわかったことは、参加者はデジタルだから特別若い人が多いということはなく、30代〜50代の女性が上位を占めているということや、イベントの内容や景品によって参加者数が大きく変化することです。回数を重ねるごとにどのように実施すればよいかという知見を蓄積し、イベント主催者へより効果的な企画を提案できるようになってきたと思います。

スタンプラリーダッシュボード画面②
スタンプラリーダッシュボード画面②

-組織内外からの評価・評判はいかがでしょうか?

会員事業者からは「導入して良かった」「効果がある」など、ご好評いただいています。 例えば、今年の春に行ったスタンプラリー「花咲くRally」ではポスター掲示を色んなところで行ったのですが、観光客がそのポスターを見て「これだよね」と話している様子やQRコードを読み取っている様子を目にしたり、QRを読み取った後に店舗に立ち寄ってくれたりしたことで、店舗の方には「イベントに参画してよかった」と感じていただけたようです。「閑散期ではあったがいつもよりお客さんがきた」などの声もありました。

「花咲くRally」スタンプラリー画面
「花咲くRally」スタンプラリー画面

プラチナマップの活用で今後目指していきたいこと

-今後デジタルマップソリューションの活用を通して取り組んでいきたいと考えていることはございますか?

スタンプラリーは仕掛けやすいですし、同時開催も可能ですので、これまで同様、同じ時期に同じエリアで実施することもあるかと思います。その場合、スポットとなる店舗が重複することもあるので、それぞれの企画趣旨をきちんと説明していく必要があります。 今後の取り組みとしては、ただのスタンプラリーやクーポン企画でなく、例えば街の歴史や建築物の様式などを知ることができるような、横浜をより深く理解できるものにしていきたいと考えています。単なる回遊ではなく、ここでしかできない体験ができる横浜観光に不可欠なツールとして、デジタルマップを活用していきたいです。活用方法については、サポート担当の方とも相談しながら進めていきたいと思います。

-これまでの取り組みを振り返って感じていることをお教えください。

多くの人で賑わったイベントでも、消費行動に繋がったというデータがあまりとれなかったものもありました。参加者の消費行動を促す仕掛けにして、主催者から「また来年もやりたい」と言ってもらえるようにするのが理想だと考えています。昨年実施してまた継続する案件もあると思いますが、イベント主催者側が何を求めているかを明確にした上で、アンケート項目追加でどんな情報を収集するのが良いのかなど、深掘りが必要だと考えています。
横浜中華街のスタンプラリーでは、ポイントラリー機能を活用して中心から離れているエリアはポイントを高く設定したことで、より回遊を促せたと感じています。
観光消費促進策として、商品の購入をスタンプ獲得の条件としてスタンプラリーを実施して、効果があるかどうか試験的に運用することも考えています。
今後もポイント機能やスタンプ獲得条件の工夫などで、回遊促進した上で消費額を増やせるように、プラチナマップをさらに活用していきたいです。

「春節デジタルスタンプラリー」スタンプラリー画面
「春節デジタルスタンプラリー」スタンプラリー画面

関内・関外地区活性化協議会もイベントで横浜デジタルMAPを活用してくれており、一つのものを使っていこうという方向性は関係者の共通認識として持っていただいています。今後、都心臨海部以外の地区でこのようなイベントを実施していくに際して、様々なシステムを乱立させるよりは、一つものを使っていくことで、イベント主催者側も参加店舗側もエンドユーザー側も便利に使っていけると考えています。一度使ったことがあれば再度利用する際に前と同じことをやればいいため、利用のハードルが下がります。「花咲くRally」で約170店舗さんにご参加いただいたことで、今後はかなり効率的に実施できるようになると考えています。


横浜観光情報 サイト情報

公式サイト:
www.welcome.city.yokohama.jp