一般社団法人佐賀県観光連盟様

デジタルマップによる情報の一元化で組織活性化を実現。地域と観光客をつなげる架け橋となり、観光魅力発信の強化へ


玄界灘・有明海・遺跡・温泉など、観光資源豊かな佐賀県。一般社団法人 佐賀県観光連盟様は、佐賀県への誘客や観光事業の振興を目的に、県内の事業者や施設への支援を行い積極的に情報発信されています。
今回、佐賀県の観光デジタルマップとして取り組まれた「TAP MAP SAGA(タップマップさが)」に、プラチナマップが導入された背景や効果、今後の展望についてお話を伺いました。

TAP MAP SAGA(タップマップさが

Platinumapsの導入に至った背景

-デジタルマップソリューションの導入背景について、教えていただけますか?

デジタルマップ運用開始前の背景として、当連盟では、過去夏期に県外からの誘客と周遊を目的に紙媒体でのスタンプラリーを行っていました。翌年、コロナを受けて「三密」が徹底される中での誘客・周遊事業企画を考えていたときに、企画実施のためのプロポーザルに参加の事業者様から提案をいただいたことがきっかけで、「プラチナラリー」でのデジタルスタンプラリーを知り、2020年、2021年とこれまで2回デジタルでのスタンプラリーを開催しました。

ゾンビランド・サガ デジタルスタンプラリー

昨年9月に西九州新幹線が開業ましたが、佐賀県では西九州新幹線開業にあたり新幹線の沿線のみの局地的な盛り上がりではなく沿線外も含めた県全体での盛り上がりを目指しており、開業に合わせて当連盟を含め佐賀県の様々なところで取り組みが行われていました。

しかし、それらを来訪者へまとめてお知らせする術がなく、課題となっていました。それぞれがやっている取り組みやサービスを地図や施設という情報に紐づけて届けるには観光デジタルマップが一番良いのではないかということと、過去にスタンプラリーを開催した際に200スポットほど既に登録していたプラチナラリーの基盤があったため、これらを活用できることから、県内の様々な取り組みの情報発信の手段としてデジタルマップを取り入れることを決めました。

-なぜ、プラチナマップをお選び頂けたのでしょうか?

観光マップへの取り組み当初、一部から「Googleに情報を落とし込めばいいのでは?」という声も上がっていたのですが、情報量が多い中で「自分たちがお勧めしたいスポットをどのようにして見つけてもらうのか?」が課題でした。
同時期に佐賀県庁内では某MaaSシステムを使った運用を検討していたため、そのMaaSシステムの企業に主体的に情報を掲載し届ける方法について相談してはみたものの、実現が難しいとのことで断念しました。
一方、プラチナマップは汎用性が高く、簡単に自分たち好みにカスタマイズできるため、観光について主体的に情報提供ができると判断し導入に至りました。

佐賀県公式観光サイト「あそぼーさが」とプラチナマップの連携
佐賀県公式観光サイト「あそぼーさが」とプラチナマップの連携

-今回のマップに関する施策はどのようなものだったのでしょうか?

デジタルマップの必要性に関しては当時の担当者も連盟全体でも周知していたのですが、当時別の観光アプリがあり、そちらとの住み分けが疑問視されていました。そのアプリは、一つのマップ上で様々な情報を見られるわけではなく施設ごとのマップを掲載していたため、マップ主体ではなく施設情報主体の運用となっていました。
プラチナマップを導入することになったものの、既にこの観光アプリが存在していたことから区別して説明する必要があったため、ホームページ上に専用の紹介ページを制作して動画を使って説明することになりました。

動画やホームページ上で使い方や観光地巡りを紹介
動画やホームページ上で使い方や観光地巡りを紹介
動画やホームページ上で使い方や観光地巡りを紹介

「タップマップさが」のターゲットはスマホに慣れている世代(50代以下)を中心に考えているので、専用の紹介ページを見ずに使用されている方も多いかもしれませんが(笑)
※今年の3月にアプリは終了し現在は「タップマップさが」のみを運用

導入後に生まれた効果

-プラチナマップ導入後、どのような効果が出ていますか?

昨年9月の導入以来、既に12,000人以上に使っていただいています。導入後、他課の方から「タップマップさが」での広報活動がどれだけの効果があったのか興味を持っていただける機会も多く、随時情報共有も行っています。マップ自体の評判も大変良く、現在では西九州新幹線開業への取り組みをきっかけに、様々な課へ「タップマップさが」で発信する情報の提供を声掛けしています。

ダッシュボード

例えば、コロナ禍の影響により国内でのアウトドアの需要が多かったのですが、キャンプ場の情報は自然や山を管轄する課、公園の情報は子育てや地域支援を主管とする課が管理しています。導入前までは他の課から我々に情報が入ってくることが殆ど無かったのですが、導入を機に観光課だけでは知りえない情報を、組織の枠組みを超えて共有することの足掛かりとなっており、「タップマップさが」に反映・表現できているのは非常に強みだと感じています。

プラチナマップの活用で今後目指していきたいこと

-今後取り組んでいきたいと考えていることはございますか?

「着地型旅行商品」の予約機能を取り入れて、「着地型旅行」を促進していきたいと考えています。

お茶の産地“嬉野”の「Tea Tourism」は茶畑のなかでお茶を楽しめる
お茶の産地“嬉野”の「Tea Tourism」は茶畑のなかでお茶を楽しめる

数年前から観光庁による「着地型旅行商品」造成推進の呼びかけを機に、佐賀県でも茶どころで有名な嬉野市の「Tea Tourism(ティーツーリズム)」をはじめ、着地型旅行商品の造成・流通支援を行ってきました。既にスポットの概要紹介やクーポンの配布は出来ているので、そこに支援を行ってきた商品やすでにある商品を掲載し体験予約がタップマップさがの新たな機能となれば、更なる取組の輪が広がり、観光の振興につながるのではと考えています。

-これまでの取り組みを振り返って感じていることをお教えください。

佐賀県は、自然豊かで、農業や漁業が盛んなところです。日本三大美肌の湯で知られる嬉野温泉や、世界規模の佐賀インターナショナルバルーンフェスタなど観光の魅力も多く、食べ物も佐賀牛やいちご、海苔など美味しいものがたくさんあります。観光連盟では、「このような佐賀でしか体験できない観光や食の情報を、もっと多くの人に、さらにワンストップで届けられないか」と考えていました。
県内の観光関係者の皆さんも、情報発信を様々な方法で試行錯誤されております。そのような中で、この「タップマップさが」を佐賀県の観光プラットフォームとして情報を登録してもらうことにより「タップマップさが」と連携した情報発信や、スタンプラリーなどの事業への活用ができるようになれば、そういった部分でも皆さんの負荷を軽減できないかと考えています。

佐賀県観光連盟の皆様
佐賀県観光連盟の皆様

この「タップマップさが」によりコスト面・労力面での負担軽減を実現し、佐賀県の様々な情報を集約することで、県内観光関係者と来訪者にとってWin-Winなサービスとして、佐賀県全体の観光活性化を進めていきたいと思っています。


TAP MAP SAGA(タップマップさが) サイト情報

公式サイト:
https://tapmap-saga.com/