紙のマップを撤廃しSDGsを推進!市内の魅力を隅々まで発信し、
コロナ禍における観光客の分散化を促進はじめに
加賀百万石の城下町、金沢市。一般社団法人金沢市観光協会様は、金沢市において観光の振興を目的に活動する中心的団体として、金沢ならではの観光資源を活用した誘客事業や観光情報の発信などを推進されています。今回、金沢市観光公式サイト「金沢旅物語」にプラチナマップを導入された背景やこれまでの効果、今後の展望について、金沢市観光政策課様と一般社団法人金沢市観光協会様にお話を伺いました。
Platinumapsの導入に至った背景
- デジタルマップソリューションの導入背景について、教えていただけますか?
金沢市では長年、紙の観光マップ(A4サイズ)を作成してきていました。しかし、紙のマップの場合は、情報が変わるごとに刷り直しの手間がかかり、職員の負担となっていました。また、掲載スペースが限定されるので金沢市中心部の観光情報しか掲載できず、情報が多すぎて文字が小さくなり見づらいことも課題となっていました。
さらに年々紙マップの配布部数が減ってきており、さらにコロナ禍で激減したことから、今後のSDGsの観点を鑑み、このタイミングで観光マップの今後のあり方を見直すこととし、デジタルマップの導入に至りました。
- なぜ、プラチナマップをお選び頂けたのでしょうか?
3点あります。まず、コストメリットです。商品の基本プランにデジタルマップとして必要な機能がパッケージ化されていることで、他社様と比較して低価格で運用していけると感じました。基本プランに対し、当市が必要な機能を付けていくことで、必要最低限のコストで洗練された使い勝手の良いデジタルマップが出来上がったと思います。
金沢市観光公式サイト「金沢旅物語」とプラチナマップの連携
次に、メンテナンスの簡単さです。今回、プラチナマップは金沢市観光情報サイト「金沢旅物語」のTOPページに埋め込んで利用していますが、プラチナマップの場合、「金沢旅物語」に投稿されたスポット情報から1日1回WEBスクレイピング(既存WEBサイトから情報を抽出する技術)をし、マップに情報反映できるため、ダブルメンテナンスの必要がなく、とても便利だと感じました。
スクレイピング機構により、既存WEBサイトから自動でスポット情報をマップに連携反映
新たなシステムを構築することなく、WEBスクレイピングプログラムの作成のみでメンテナンスの一括化に対応できたことは、コストパフォーマンスの観点、また業務効率の観点からもメリットが大きいと感じました。
最後に、多言語対応です。金沢市は海外のお客様にも多数訪れていただいており、多言語対応は必須でしたが、プラチナマップは英語・簡体字・繁体字・韓国語の4言語に自動翻訳できる点も魅力的でした。
- 今回のマップに関する施策はどのようなものだったのでしょうか?
観光客に人気のスポットが多い中心部だけでなく、金沢市全域に観光マップの範囲を広げることで、「密」を避けるコロナ禍において、観光客の分散化を促進することが大きな目的でした。併せて、紙のマップに代わるデジタルマップを作成することで、SDGsの推進、利用者の利便性向上、さらに職員の負担軽減につなげようと考えました。
観光客の分散化に関しては、金沢市全域の観光スポットの詳細情報が網羅されている「金沢旅物語」とプラチナマップを連携させることで、簡単にマップ上に表示させることができました。画像ピンでどんなスポットがあるか俯瞰して見せられるプラチナマップは中心地以外にも魅力的なスポットがたくさんあることを一目で伝えることができ、とても効果的だったと思います。
また紙のマップではどうしてもスペース上スポット名のみの掲載となっていましたが、プラチナマップではスポットをクリックすることでスポットの詳細情報が確認できるため、利便性が大きく向上しました。
詳細情報からは経路検索も可能で、マップを見て気になったらすぐにそのスポットへ行こうとすることができ、中心地から各エリアへの分散促進につながっていると感じています。
マップ拡大でスポット名を表示
また、スポット名の表示カスタマイズも行いました。多くの方に紙マップ以上にデジタルマップの方が便利だと認識していただきたい思いがあり、また金沢市にはご紹介したい観光資源が数多くあるため、各スポットの名称が一目で分かるよう表現できないか相談させていただき、ある程度マップを拡大したときに各スポット名が表示されるようにするカスタマイズをしていただきました。
さらに、マップ上での検索性を向上させるため、ハッシュタグ機能も活用しました。「金沢旅物語」の各スポットでタグ付けしていた情報、たとえば#寿司、#和食、#カフェ、#バリアフリー、#多目的トイレあり、#Wi-Fiあり等様々なタグをプラチナマップのハッシュタグ機能を利用してマップ上でも閲覧できるようにしました。
ハッシュタグ機能で検索性向上
ハッシュタグをタップすれば、そのタグが付いたスポットのみがマップ上で見られるため、たとえば小さなお子様連れの場合、「#授乳室あり」をタップすれば、授乳室があるスポットのみが可視化され、どこに行けば安心かすぐに分かります。人によって異なる様々なニーズに答えて即ご案内できるので、重宝して頂けていると思います。
最後に、同一経度緯度のスポットの表示カスタマイズをしました。金沢市の場合、観光スポットが密集していて同じ緯度経度に複数のスポットを重ねて登録したいスポットが複数ありました。たとえば、金箔の体験教室と店舗が同じ緯度経度にあるため、両方を別々のスポットとして登録するとスポットピンが完全にかぶってしまい、どちらかの情報しか表示できないという問題です。
同一経度緯度のスポットも表示可能に
これを解決するため、同一経度緯度の複数スポットをカード型表示にし、スポット情報を切り替えて表示できるようにカスタマイズし、どちらのスポットも見られるようにしました。観光資源の密集地でもすべてのスポットの情報がしっかり伝えられるようになり、満足しています。
導入後に生まれた効果
- プラチナマップ導入後、どのような効果が出ていますか?
デジタルマップの公開を機に、従来作成していたA4サイズの紙マップの作成及び配布をやめたことで、SDGsの推進につながっています。
紙の削減(ペーパーレス化)は、SDGsの12,13,15に関連します。
また、従来の紙マップと比較し、迅速な情報更新が行えるようになりました。情報更新は「金沢旅物語」のCMSへの投稿のみになったため、「金沢旅物語」とデジタルマップのダブルメンテナンスがなくなり、生産性が向上しました。
最後に、情報伝達量の大幅な向上が出来ました。プラチナマップはスマートフォンでマップの表示範囲を拡大・縮小することができるので、金沢市全域の観光情報を掲載でき、またスポットの集約機能により情報量が多いため文字が小さくて見づらくなる点も解消されました。
デジタルマップ公開後、複数の新聞社様に取材していただいたほか、他の自治体様からも問い合わせをいただいています。
- 社内外からの評価・評判はいかがでしょうか?
内部では、ダッシュボードから日ごとの利用人数や利用者が多かった時間帯、クリックが多かった観光スポットなど細かい分析が分かるようになり、とても参考になるとの声が多いです。
ダッシュボード画面(※金沢市様の実際のデータとは異なります)
また、「金沢旅物語」と紙マップのダブルメンテナンスの手間がなくなったので、業務効率の改善につながったと感じています。観光関連事業者の方々からも、便利で見やすいというお声をいただいています。
プラチナマップの活用で今後目指していきたいこと
- 今後取り組んでいきたいと考えていることはございますか?
利用者の動向を注視しながら、今後の観光施策に反映していきたいと考えています。 プラチナナップのダッシュボードは施策の実行、検証、反映とマーケティングPDCAをまわしやすいシステムになっており、データの蓄積が次期施策の検討に大変役立つと思っています。
また、いずれは英語・中国語(簡体字・繁体字)・韓国語以外の言語にも対応できればと考えています。
- これまでの取り組みを振り返って感じていることをお教えください。
デジタルマップの導入は、デジタル化・ペーパレス化といった現代社会のニーズに合ったツールの1つであり、今後ますます重要視されると考えています。 まだ一般公開したばかりで、かつコロナ禍のために利用する観光客はまだまだ少ないと感じており、より多くの方々に「金沢市観光デジタルマップ」を知っていただけるよう、引き続き周知に努めてまいります。
金沢市内でデジタルマップの公開をPR
導入前からご相談に応じていただき、導入後もよりよいマップになるようご助言いただき、様々なカスタマイズに応じていただく等、ご尽力いただきましたボールドライトの皆様に感謝申し上げます。
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